こんにちは、にゃんコロネです。
猫の定期的な健康診断のときに欠かせないのが、採尿や検便です。健康をチェックしたり、病気の早期発見にもすごく大切なこと。でも人と違って、おしっこの取り方や便の採取はどうやってしたらいいか難しい。それに必要な量もよく分からないから、うまくできなかったりするんですよね。今回は、すごく簡単にできる方法を紹介するので、ぜひ参考にしてください。愛猫のためにもちゃんと検査をさせてあげましょう。
目次
採尿で分かる病気の種類
健康チェックに欠かすことができないことだけど、採尿で「いったい、何が分かるの?」という疑問があります。愛猫のためにもちゃんと知っておきましょう。どれも猫がかかりやすい病気なんです。
慢性腎不全
腎臓の機能が衰えて、身体の中の老廃物をおしっことして正常に排出できなくなる病気です。おしっこの量が増えたり、水をたくさん飲む、脱水症状などが現れて、水分バランスが乱れてしまいます。
尿路結石
尿道に尿石ができてしまい、膀胱炎や血尿の原因を作る病気です。頻尿や血尿、排泄時間がながくなったり、トイレのときに異常が見られるようになります。
尿道閉塞症
尿道内に腫瘍ができて、おしっこの通り道を塞いでしまいます。ペルシャ猫などの長毛の猫が発症しやすい病気です。排泄時に痛がるように鳴いたり、陰部を舐めることが多くなります。もちろん、血尿の原因にもなります。
糖尿病
ホルモンの一種であるインスリンの働きが悪くなって、血液中の糖分の割合が多くなってしまう病気です。大量に水を飲んだり、おしっこの回数が増える、お腹が膨れるといった症状が見られます。また、糖尿病が原因になって、白内障という目の病気にもかかりやすくなってしまいます。
採尿で検査してもらえる項目
採尿でチェックしてもらえる項目は、おおきく6つに分けることができます。どれも大切な項目なので、1つずつ簡単に紹介しますね。
おしっこの見た目
尿の色や透明具合、泡などを調べてもらいます。猫の正常なおしっこの色は、うすい黄色です。人の場合とあまり変わらないですね。色が薄すぎても濃すぎても病気の疑いがあるので、注意が必要です。また、血尿だと赤くなりますし、体内の赤血球に異常があると黒いおしっこになることも。
濁りが強い場合は、細菌が混じっている可能性が高いので、飼い主さんの知らないところで猫の身体が蝕まれていることだってあります。素人目にも分かりやすいので、普段の生活でも異常が見られたら、すぐに検査を受けることが病気の早期発見になり、可愛い愛猫を守ってあげることができます。
尿比重
尿比重は、おしっこの濃さを調べます。腎臓のダメージ度合いを測るのに役に立ちます。腎臓がダメージを受けていると、おしっこを濃縮することができずに、身体に必要な栄養分も体外へ排出されるので、尿比重は軽くなるんです。(おしっこの割合が少ないので、比重が軽くなる)
pH値
おしっこが酸性か中性かアルカリ性かを検査します。猫の場合は、pH値は6.5前後がベストな状態です。ほぼ中性です。アルカリ性に傾いた状態がとくに危険で、キャットフードから摂取したマグネシウムやリンを溶かすことができずに、結石の原因を作ります。またアルカリ性は、細菌が繁殖しやすいので膀胱や尿道の炎症も引き起こしやすいです。
ビリルビン
聞きなれない言葉ですが、ビリルビンというのは黄疸(おうだん)を調べる指標。黄疸は胆汁の色素の影響で、皮膚や身体の組織が黄色く変色する症状です。つまり、ビリルビンを調べると、肝機能が低下していないかどうかを測定することができるんです。
尿たんぱく
本来なら腎臓で正常に処理されるはずのたんぱくが、尿に過剰に混ざっていないかをチェックします。腎臓の機能が低下していると、身体に必要なたんぱく質がおしっこと一緒に排出されてしまいます。腎臓の疾患や尿路の異常を発見するのに、役に立つ検査項目なんです。
尿糖
血液に含まれる糖分が、おしっことして漏れ出てきていないかどうかを検査します。普通は腎臓の働きのおかげで、血糖値が高くてもおしっことして排出されません。ところが腎臓が許容できる範囲を超えると、おしっことして溢れ出てくるようになります。糖尿病の発見としても有名なチェック項目ですね。
簡単にできる採尿のやり方
猫の採尿のやり方はとても簡単です。ただ、猫の性格によってはおしっこをしてくれなかったり、違和感を覚えるものがあるので、一番やりやすい方法を選びましょう。
トイレの容器を空にする
ペットの飼育本などでもよく紹介される方法です。普通はトイレの中に猫砂を入れると思いますが、いったん砂を全部とりのぞいて、空の容器に排泄させるやり方です。おしっこをしてくれたら、スポイトなどで吸い上げれば採取完了です。二層式トイレの場合は、下に敷いてあるシーツやマットを取り除けば、おしっこが溜まるので吸い上げるのも簡単です。
ペットシーツの裏側にさせる
この方法は、いつもペットシーツの上におしっこをさせている猫に向いたやり方です。シーツの裏面にさせれば、水をはじくようになっているので、おしっこが溜まります。同じように、スポイトで吸い上げて完了です。
お玉やレンゲで採取する
これも、猫の飼育本では定番のやり方です。猫がおしっこを始めたら、さりげなくお玉を当てて採尿するという方法です。箱型のトイレだと、とてもやりやすいです。猫の場合はたとえ気が付かれても、一度やり出したらなかなか止まらないのです。ただ猫に気が付かれると次からのトイレを警戒するようになるので、なるべく気が付かれないようにしましょう。
ラップやビニールを活用する
猫砂の上にラップやビニールを敷いて採取する方法もあります。これだと猫砂もあるので、スムーズに行きやすいです。ただ敏感な猫の場合は、違和感を感じることがあるので、そういう時はラップを小さくしたりして、工夫が必要です。
ウロ・キャッチャーを使う
これを使う飼い主さんが一番多いです。ウロ・キャッチャーというペット用の採尿器です。排泄時や排泄後におしっこをウロ・キャッチャーに染み込ませるだけで、簡単にできます。ネットだと、楽天で取り扱いがあります。5本で1,280円なので、1本250円くらいですね。使い方も簡単で最近はほとんどこれを使います。お玉での採尿をハイテクにしたような感じです。
商品価格:1,280円(税込み)
採尿のときの注意点を知ろう
頻繁にやることではないので、疑問に思う所や注意することがあるのかなど色々でてきます。次に紹介することはしっかりと覚えておかないと、うまく検査ができません。
採取するおしっこの量
最低でも1ml、できれば2mlを目安にしましょう。あまりに少なすぎると、正確な検査ができなかったり、検査自体ができないということもあります。
朝一番のおしっこを採取する
人間の健康診断でも同じですが、朝一番の濃いおしっこを取るようにしてください。起きてから時間が経過したものは、成分も変わってしまいます。
猫砂が混ざらないように注意
採尿する方法はいくつか紹介しましたが、猫砂が尿に混ざっていてはいけません。できるだけおしっこをやり始めたときに、気が付かれないように頑張って採取するというのが一般的です。
新鮮なうちに動物病院に持っていく
理想は、おしっこを採取してから3時間以内に動物病院に持っていくことです。ただそんなすぐには持っていけないこともあると思います。なので、可能であれば冷蔵庫で冷やしておくというのがおすすめです。ただ、衛生的にはよくないので、できるだけ風通しがいい涼しい冷暗所で保管しておく必要があります。保冷剤やドライアイスが自宅にあれば、それを活用する方法でも大丈夫です。凍らせるのはNGなので気を付けてくださいね。
おしっこの持って行き方
おしっこはスポイトに入れて持って行くか、小さめのタッパーで大丈夫です。100円均一などで購入できる、お醤油のタレビンでも大丈夫です。もちろんキレイに洗った状態のものです。採取した日付をしっかり書いて、こぼれないようにだけ注意しましょうね。2匹以上で飼っているなら、どの猫のおしっこがどの容器かを分かるように、猫の名前も書き忘れないようにしましょう。
尿検査の費用や頻度はどれくらい?
尿検査は病気を早期発見するためにも大切なことなので、定期的に受けさせることをおすすめします。でも初めてだと、どれくらいの頻度で検査をしたらいいのか、費用も分からないですよね。費用は、病院によってまちまちなので一概には言えませんが、2,000円を目安に考えておけば大丈夫です。採尿だけじゃなく、検便や血液検査も一緒にやる場合は、10,000円くらいになります。
検査を受ける頻度は、年齢によって頻度を変えるのがおすすめです。8歳未満の猫であれば1年に1回以上、8歳以上のシニア猫なら1年に2回以上が目安になります。高齢の猫ほど病気が見つかる可能性が高いので、頻度は高めです。とくに慢性腎不全は発症率も高いので、定期的な尿検査で早めに見つけることが大切です。
病院で採尿する方法もある
神経質な猫だと自宅で採尿は難しいときもあります。他にもどうしても砂が混ざってしまったり、当日に持っていけないときもあると思います。そんなときは、動物病院で猫を預かってもらって採取することもできます。この場合は、通常は膀胱から直接とります。病院嫌いな猫には不向きだし費用も掛かってくるので、できることなら自宅で済ませたほうが安くできます。
猫のおしっこ検査の大切さとは
尿から発見されることが多い、慢性腎不全や尿毒症、尿路結石は猫にとってすごく苦しい病気。治療費も数万円というのは普通なので、なるべく早く発見してあげたいですね。もっと病気が進んで急性腎不全になると、治療費は100万円を超えることも普通です。だから定期的な健康診断は、愛猫のためだけじゃなくて、飼い主さんのためでもあります。こまめな健康チェックは、すごく大切。末期の症状だと、1回の入院だけでも数万円近くを自費で支払う必要があります。いざという時に備えて、ペット用の保険も見積もっておくと、安心できるかもしれないです。
長生きできる猫はとても幸せで、飼い主さんの愛情をたくさん受けて成長していきます。飼い始めたときの、愛猫に対する気持ちを忘れずに、これからも大切に想ってあげてくださいね。
自宅でも普段から尿チェックをしてあげよう
トイレ前後の猫の行動やおしっこの様子を観察すれば、自宅でも簡単に尿チェックをしてあげることができます。異変があれば、すぐに獣医さんに相談することができるので、日課にしていきましょう。チェック項目を紹介するので、さっそく始めてみましょう。
トイレ前後の行動をチェック
- トイレに行くけど排泄しない
- トイレに行く回数が多かったり、少なすぎる
- トイレの時間が長い
- おしっこの途中で痛そうに鳴く
- 排泄後に吐くことがある
おしっこの様子をチェック
- いつもと違う嫌なニオイがする
- 猫砂の塊が大きくなったり小さくなった
- おしっこに小さな塊が目立つ
- 猫砂を変えていないのに、砂の固まり方が変わった
- 排泄後にキラキラした結晶が見られる
- 血尿をしている
これらの項目を自宅でチェックするだけでも、病気の早期発見につながります。何の病気か自分では分からなくても、症状を獣医さんに伝えれば相談にも乗ってもらえますよ。
最後に
猫の採尿のやり方はいつもやることではないので、どうしたらいいか迷う飼い主さんが多いんです。おしっこの取り方は簡単な方法がたくさんあるので、ぜひ参考にしてみてください。どのやり方がいいのかは猫の性格によっても違うので、様子を見ながら採取するようにしましょう。もしも採尿の途中で猫に気が付かれたら、警戒されてしまうので「さりげなく」というのを忘れずに。
おしっこを検査してもらうことで、猫の重大な病気も発見しやすくなるので定期的に健康診断を受けさせることが大切です。あとは自宅での尿チェックも病気の早期発見につながるので、ぜひ日課にしてみてください。
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